
【めざせFP3級合格】シリーズ第4回目では社会保険について勉強していきます。
これまでの内容も合わせてぜひ一緒に勉強していってください。
では、早速行ってみましょう。
社会保険(公的保険)というと健康保険がすぐに浮かぶと思いますが、公的保険制度には以下の種類があります。
- 医療保険:健康保険/国民健康保険/後期高齢者医療制度
- 介護保険
- 年金保険:国民年金/厚生年金
- 労働災害保険
- 雇用保険
今回は医療保険と介護保険についてまとめました。
医療保険制度
医療保険には健康保険、国民健康保険、高齢者医療制度があります。医療業界で社会保険(社保)というと一般的に健康保険を指します。
健康保険
健康保険は2種類あり、それぞれ保険者が異なります。
- 協会けんぽ:全国健康保険協会管掌健康保険・・・中小企業
- 組合健保:組合管掌健康保険・・・大企業、教員
保険料は標準報酬月額と標準賞与額に保険料率を掛けたもので、会社と被保険者が半分ずつ支払う労使折半となっています。協会けんぽの保険料率は都道府県によって異なり、組合健保の保険料率は組合が決めます。
※標準報酬月額とは:税引き前の給料を一定の金額幅で区分した物。例)26万円以下/28~50万円/…
健康保険によって受けられる給付には以下のものがあります。
- 療養の給付、家族療養費
- 高額療養費
- 出産育児一時金
- 家族出産育児一時金
- 出産手当
- 傷病手当
- 埋葬料、家族埋葬料:5万円
療養の給付
業務外の病気やケガに対する診察や医療行為を受けられます。ただし、健康保険が使えるのは保険医療機関で保険適応の治療を受けた場合に限ります。(先進医療や美容などは保険適応外、自然分娩も病気ではないので適応外)
対象は被保険者とその扶養家族です。
窓口での自己負担割合は以下の通りです。
- 0~小学校入学:2割
- 小学校~70歳:3割
- 70~75歳:現役並み所得者は3割、一般所得者は2割
多くの人は実際にかかった医療費の7割を(保険+税金)で賄われていることになります。
なお、地方自治体によっては小児や高齢者の窓口負担がさらに軽減される場合もあります。
高額療養費
抗がん剤治療や手術など高額の医療行為で自己負担額が一定の金額を超えた場合には超えた分を請求することで返金を受けることができます。また、同じ月に同じ医療機関で支払う金額は自己負担上限額までとなります。
例)
・A病院で複数回の治療を受けて自己負担上限額に達したら次回以降窓口負担なし
・A病院で治療を受け、C薬局で薬をもらった場合の合計が上限額を超えていたら超えた分を申請して返金してもらえる。
自己負担上限額の計算式は次の表にまとめました。
所得の区分(標準報酬月額) | 自己負担限度額 |
83万円以上 | 252,600円+(総医療費-842,000円)×0.01 |
53~79万円 | 167,400円+(総医療費-558,000円)×0.01 |
28~50万円(ボリュームゾーン) | 80,100円+(総医療費-267,000円)×0.01 |
26万円以下 | 57,600円 |
住民税非課税世帯(低所得者) | 35,400円 |
出産育児一時金、家族出産育児一時金
被保険者やその扶養家族が出産した場合、産科医療保障制度に加入している病院で出産すれば1児につき42万円が支給されます。
出産手当金
被保険者が出産のために会社を休み、給与が支給されない場合に出産前42日+出産後56日のうち、仕事を休んだ日数分の金額が支給されます。
(支給開始前12か月間の標準報酬月額の平均÷30日)×0.67≒1日あたりの支給額
大体給料の2/3くらいの支給が受けられますね。
傷病手当金
被保険者が病気やケガで会社を3日以上休み、給与が支給されない場合4日目以降1年6か月までの日数分が支給されます。
(支給開始前12か月間の標準報酬月額の平均÷30日)×0.67≒1日あたりの支給額
計算式は出産手当金と同じですね。
健康保険の任意継続
退職すると家族の被扶養者となるか健康保険から国民健康保険に切り替えることになりますが一定要件を満たせば2年間は退職前の健康保険に加入することができます。ただし、労使折半ではないので保険料は全額自己負担になります。
要件は以下の2つです
- 健康保険に継続して2カ月以上加入している
- 退職後20日以内に申請
自己都合退職などで次の就職先を見つけるまでの間、保険未加入期間を作らないためなどに利用できそうです。私はこの制度を知らなかったので、転職する際に保険が切れないよう雇用期間が連続するようにかなりきついスケジュールで転職準備をする羽目になりました。
国民健康保険
国民健康保険は健康保険が適用されない自営業者や未就業者など、市区町村に住所があるすべての人が対象です。
保険者は都道府県と市区町村の共同、または国民健康保険組合です。保険料率は前年の所得等に応じて決まります。会社員のように標準報酬月額が計算できないからですね。
国民健康保険と健康保険の違いを表にまとめました。
国民健康保険 | 健康保険 | |
保険料 | 前年の所得に応じて決まる 全額自己負担 | 標準報酬月額と標準賞与額に保険料率を掛ける 労使折半 |
保険者 | 都道府県と市区町村または国民健康保険組合 | 全国健康保険協会、健康保険組合 |
療養の給付 | 保険医療機関における保険適応の治療 (労災の概念がない) | 労災以外の病気やケガが対象 |
出産手当金 | なし(標準報酬月額の概念がない) | あり |
傷病手当金 | なし(標準報酬月額の概念がない) | あり |
健康保険は被雇用者が給与から天引きされるため支払い忘れることはないと思いますが国民健康保険は個人で支払うため払い漏れが発生する場合があります。
特別な理由なく1年6カ月以上の滞納があると保険が適用されなくなり、さらに滞納すると財産差し押さえとなるため払えない理由がある場合は市役所等で減免の申請をする必要があります。
後期高齢者医療制度
一般に65歳以上を高齢者と呼びますが、75歳以上の高齢者を後期高齢者と呼び、後期高齢者医療制度の対象となります。また、脳卒中の後遺症などで障害認定を受けた65~75歳の人も同様に制度の対象となります。
後期高齢者医療制度の対象となると医療費の自己負担額は原則1割負担となりますが、現役並み所得者の場合は3割負担となります。
保険料は後期高齢者医療広域連合で決定され、年金から天引きされます。徴収は市区町村が行います。
介護保険制度
介護保険は将来介護が必要になった場合に必要な給付を受けられる制度で、40歳以上から加入することになります。
保険者は市区町村です。65歳以上を1号被保険者、40~64歳を2号被保険者と言います。
保険料は標準報酬月額および標準賞与額×1.8%(健康保険加入者)または前年の所得に応じて(国民健康保険加入者)決定されます。1号被保険者では年額18万円以上の年金を受給していれば天引きで納付、それ以外は個別に納付することになります。
介護保険は介護必要度に応じて要支援または要介護の介護認定を受けることで使用することができます。
介護保険適応となるサービスは原則自己負担1割で受けることができますが、支給限度額を超えた場合は全額自己負担となります。また年額160万円以上の所得がある場合は2割、220万円を超える所得がある場合には3割負担となります。
超高齢化社会に伴う介護保険利用者の増加と労働人口の減少によって介護保険料の負担は年々増加傾向にあります。
まとめ
今回は医療保険と介護保険についてまとめました。FP3級を受けるうえでは今回程度の知識で十分だと思われますが、私は薬剤師として医療保険、介護保険からの報酬を頂く身なので、制度をしっかり理解していなければならないと実感しました。取り急ぎ、試験に向けては過去問題を解いて理解を深めるのがよさそうです。
今後も勉強を続けていきますので機会があればもっと詳しく、わかりやすくまとめたいと思います。
次回は労災保険と雇用保険についてまとめていきます。
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