
ある日のこと。。。
妻「緑茶をお腹タプタプになるくらい飲みたい!!」
健康に良いことで有名な緑茶。私も妻も大好きです。しかし、コーヒーと同様にカフェインが含まれているために妊娠中は緑茶を飲まず、麦茶で我慢している方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと妊婦さんが緑茶を飲んでも大丈夫です。
今回はその理由を解説していきます。
1. 妊婦が1日に飲める緑茶の上限は1.5Lまで
世界保健機構WHOによると、『妊娠および授乳中の健康的な食事』という資料に以下の記載がありました。
Effects of caffeine on the foetus are not well established yet. Tea, cocoa and cola-type drinks contain about the same amount of caffeine while coffee contains about twice as much caffeine. Try to limit your coffee intake to 3-4 cups a day.
(カフェインの胎児への作用は定かではない。紅茶、ココア、コーラ飲料は同量のカフェインを含み、コーヒーはその約2倍のカフェインを含む。1日のコーヒー摂取量は3~4杯に制限するように。)
Healthy eating during pregnancy and breastfeeding. WHO, 2001
WHO的には妊婦のカフェイン摂取上限はカップコーヒー3~4杯分のようです。では、他の飲み物に含まれるカフェイン含有量はどれくらいなのでしょう。文部科学省の日本食品標準成分表からコーヒーとお茶類のカフェイン含有量をまとめてみました。
飲料 | カフェイン含有量 | 作り方 |
コーヒー | 0.06 g/100 mL (=90 mg/150mL:コーヒーカップ1杯) | コーヒー粉末10 g、熱湯150 mL、ドリップ |
煎茶 | 0.02 g/100 mL (=20 mg/100 mL:湯呑1杯) | 茶葉10 g、90℃湯430 mL、1 分 |
ほうじ茶 | 0.02 g/100 mL (=20 mg/100 mL:湯呑1杯) | 茶葉15 g、90℃湯650 mL、30秒 |
玄米茶 | 0.01 g/100 mL (=10 mg/100 mL:湯呑1杯) | 茶葉15 g、90℃湯650 mL、30秒 |
ウーロン茶 | 0.02 g/100 mL (=20 mg/100 mL:湯呑1杯) | 茶葉15 g、90℃湯650 mL、30秒 |
紅茶 | 0.03 g/100 mL (=45 mg/150 mL:ティーカップ1杯) | 茶葉5 g、90℃湯360 mL、1.5~4 分 |
以上の資料から、WHOの言うカフェインの摂取制限(コーヒーカップ3~4杯)は約270~360mg/日(≒300mg)となりました。
煎茶に換算すると湯呑1杯100mLとして13~18杯(ざっくり15杯)になります。1.5Lのペットボトル1本分くらいは飲めるみたいですね。
2. お湯で淹れるより水出しした方がいい
カフェインの抽出量は水の温度によって変わることが知られています。農研機構の果樹茶業研究部門によれば、80℃ 2分でお湯出ししたお茶に対し、10℃ 1時間で水出ししたお茶のカフェイン含有量は約半分とのこと。氷水で淹れた場合はさらに半分以下になるようです。つまり水出しなら3L、氷水を使えば6L以上飲めるということ。

参考:農研機構HP https://www.naro.affrc.go.jp/laboratory/nifts/t_contents/mizudashi_ryokucha/detail.html
妻よ、氷水出し緑茶なら望み通りお腹タプタプになるまで飲めそうだぞ
3. 緑茶には健康に良い成分がたくさん含まれている
緑茶にはカフェイン以外にも以下のような成分が含まれています。
- テアニン
- エピガロカテキン(EGC)
- ビタミンC
- クエルセチン
テアニンやエピガロカテキンはストレス軽減やリラックス効果のある成分です。エピガロカテキンにはさらに免疫力を高める効果があるとされています。ビタミンCやクエルセチンには抗酸化作用があり、シミの予防や細胞の老化防止に効果があるのではと期待されています。
ビタミンCは熱に弱いため水出しすることによって分解を抑えることができます。水出し緑茶のメリットはこんなところにもあるのですね。ちなみにテアニンやECG、クエルセチンは低温でも時間をかけることによりお湯で淹れるのと同程度の抽出量が得られるようです。
まとめ
今回は妊婦さんが緑茶を飲んでよいかどうかについてまとめてみました。
- お湯で淹れた緑茶なら約1.5Lまで
- 水出し緑茶なら約3Lまで、氷水を使えば6Lまで
- 緑茶には体に良い成分がたくさん
知らないとカフェインが入っているものは何でも避けるというようになってしまいがちですが、緑茶にはカフェイン以外にも様々な成分が含まれておりリラックス効果や免疫力アップの効果が見込まれています。むしろ、飲んだほうがメリットが大きいです。カフェインの過剰摂取は低体重児のリスクを高めるため推奨されていません。用法用量を守って正しく飲用しましょう。